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今日の夜まわりのこと

今日の夜まわりも、いつもの名古屋駅周辺をまわる。
(計5コースほどに分かれて名古屋駅や栄を中心にまわるのだが、ぼくは名古屋駅をメインでやっている)


この3週間ほど毎回会っているフクちゃんのことを今日はどうしても書きたい。



フクちゃんはもう確か70歳を過ぎているが、名古屋で野宿を続けている。

もう3年くらい前からの知り合いになるが、以前は足がとても調子悪そうで、歩くのが大変そうだった。

時々夜まわりで全然会えなくなる時期があって、心配するのだが、

また再会した時に話を聴くと、「○○で仕事をしていた」との返事だった。もう70歳だというのに、今も働き続けているのだ。

体調的にも年齢的にも、生活保護をとらなければしんどい体なのだが、フクちゃんは自分でなんとかしようとたたかっている。

最近はずっと会えていなかったのだが、9月の初めにばったり再会。

今夜会ったとき、フクちゃんはTシャツ一枚の格好だった。

今までは暑かったからよかったが、最近は一気に冷え込むようになった。

ぼくは一枚毛布を持っていたのだが(先週ほかの人に頼まれていて、今日渡す分の毛布)、その毛布を見てフクちゃんは、

「それは(だれかほかの)ひとの分だよな」

と聴いてきた。

「うん、フクちゃん、申し訳ない。先週予約があった人の分で。来週でよければ持ってきますよ」

とぼくは言った。

「わかった、ありがとう。来週もここにいる」

そう言って、別れた。


その後夜まわりを続けているうちも、Tシャツ一枚だったフクちゃんのことが頭から離れなかった。

夜まわりを終えて、物資などを管理しているテント村にみんなで戻った。

時刻はすでに12時。

支援者の一人が、今から栄のほうに毛布を届けに行くということで、ぼくも毛布を一枚抱えて便乗させてもらった。

そう、フクちゃんに会うために。


名古屋駅に戻った。

フクちゃんは同じ場所で座っていた。

「フクちゃん、毛布あったから、持って来たよ。来週まで待つのはしんどいだろうし」

「ありがとう。わざわざ来てくれたのか。すまんね」

「大丈夫、ほかの用事もあって一緒に車乗せてもらってきたから。ところでフクちゃん、洋服はある?このTシャツ一枚だけなの?」

「うん」

「じゃあ、衣類の在庫があると思うから、来週持ってくるね」

「そうか、すまんね。こんな感じのがいいな(ぼくが来ていたジャケットを見て)」

「分かった。来週になっちゃうけど、探しておくね」

そう言って、別れた。

支援者の車に戻ろうと歩いていたが、やっぱりなんだかすっきりしない。

ぼくは後戻りした。


「フクちゃん、ぼくの着た中古になっちゃうけど、これで良ければ着る」

ぼくは、自分が着ていた古びたジャケットを脱いで差し出した。

「いいのかい」

「うん、ぼくが着たやつで申し訳ないんだけど。よかったらサイズ合うか着てみて」

フクちゃんは羽織ってみた。サイズはぴったりだった。

「ありがとう、もらうよ」

「ほんと中古で申し訳ないですが、少しでも寒さはしのげると思うから。なにかあったら、早めに病院に行ってね」

そう言って別れた。

帰りの自転車、ジャケットがなくなってちょっぴり肌寒く感じたが、その寒さはぼくになにかを感じさせた。



念のため断っておくが、ぼくは「情け」や「支援」のために夜まわりをやっているわけではない。

野宿の人に対して、「かわいそう」という感情を抱くことは、自分を問題の外にやっている馬鹿げた話であるし、宗教家のように、「目の前の困っている人たちは助けなさい」というような崇高な考えも持っていない。

ただ、今の社会のあまりに馬鹿げた歪み、インチキが許せないし、野宿の人々を取り巻く問題の背景にある様々な問題は自分自身の問題であり、他人事ではない。

だから、教会関係の人がよくやっている、一方的に食事だけ提供する「炊き出し」は苦手だ。なによりも、あそこに集まってくるボランティアの人々とは、まったく仲良くなれない。



そう考えると、今日のぼくの行動はちょっとぼくらしくなかったのかもしれない。

でも、70超えてしんどそうな体のフクちゃんと会って、この寒さの中、動かざるを得なかった。

それはぼくなりの、ささやかな抵抗なのかもしれない。


フクちゃんが座るベンチの前を通り過ぎる、無数の人々。

金曜日の夜。スーツ姿のサラリーマンや、これから夜行バスに乗る若者たちや。

その中で、ボロボロのTシャツ一枚のフクちゃん。


若いころから働き続け、今も自分自身で生きようと役所の世話にならずにたたかい続けているフクちゃん。


「ホームレス」というレッテルを貼ってしまえば、そこで終わりだ。

人々の視界から、フクちゃんの存在は消える。


そんなのくそったれだ。

ささやかな抵抗だったのかもしれない。


今日のことはどうしても書いておきたかった。

書きなぐりで申し訳ないです。


最後まで読んでくれてありがとう。
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